アパレル、被服のブランド名の商標登録を考えている方
ブランド化は商標登録が鍵
商標登録すべきか迷っていると思います
今、みなさんは、ブランド名を商標登録すべきか迷っていると思います。
商標登録した方がいいよ、と周囲に言われたけど、
商標登録のメリット、必要性がわからない、といった方もいると思います。
以下に、ブランド名を商標登録するメリットを説明致します。
業界における商標登録動向
中小企業の繊維分野の商標出願件数
この結果から中小企業の繊維分野の商標出願件数(水色の部分)が多いことがわかります。
なお、ここでは省略していますが大企業についても繊維分野の商標出願件数は多いです
中国の繊維分野(被服分野)での商標出願件数
この結果から中国の繊維分野(被服分野)での商標出願件数も多いことがわかります。
これらの結果のように繊維業界における商標出願件数は多く、
これから言えることは、繊維業界では多くのブランドがそのブランド名を商標登録によって保護しているということです。
つまり、商標登録がブランド維持に効果的であることを業界全体が知っているということです。
商標登録する理由
たとえば、ブランド名を他人が使い始めたらどうなるか。
その場合、みなさんは、そのままブランド名を使い続けることはできますが、
正直、いやな気持になると思います。
でも、それ以上に問題なのが、実際にみなさんのお客様がそのような他人に流れてしまうことです。
また、同じブランド名を他人が商標登録したらどうなるか。
その場合、みなさんは、そのままご自身のブランド名を使い続けられなくなります。
たとえみなさんがずっと前から使っていたとしても使い続けられなくなります。
こうなるとブランド名を変更したり何らかの対処をしなければなりません。
ブランド名を変更しないで使い続けると、商標権侵害になり損害賠償を請求される可能性がでてくるからです。
これから使おうとしているブランド名を、他人が先に商標登録しているんだけど、
どうすればいいのか?、といった相談も結構な割合でいただきます。
その際には、様々な対処方法をご提案します。
商標登録の特性を知っているからこそできる提案も沢山あります。
様々な提案をさせていただきますが、いずれにしても商標登録することはお勧めしています。
みなさんがブランド名を商標登録しておくことで、
他人が同じブランド名(厳密には似たブランド名の範囲まで)を使うことを防止できます。
登記された商号のような極狭い範囲ではなく日本中で使われるのを防止できます。
また、同じブランド名を他人は商標登録できなくなります。
このように、商標登録することでブランド名をみなさんだけが使えるようになります。
アパレルビジネスでは商標登録が特に重要
みなさんのブランドは、一般消費者向け(BtoB)の商品でしょうか?、
それとも、法人向け(BtoC)の商品でしょうか?
アパレルビジネスのように一般消費者向けの場合、
そのブランド名がマネされる可能性は、
法人向け場合よりも格段と高くなります。
というのも、法人は、ブランド名でなく商品・サービスの中身で判断するのに対して、
一般消費者は、商品・サービスの購入をそのブランド名で決定する傾向が強いからです。
このようなこともあるため、既に存在するブランド名の商品・サービスをマネようとする他人は、
商品・サービスをマネることに加えてブランド名もマネていきます。
それは、商品・サービスの内容を改善するといった時間とお金をかけるよりも、
ブランド名をマネただけで売上を伸ばすことができるからです。
特にみなさんのブランド名が有名になると、
そのブランド名だけでお客様が集まるようになり、
真のブランド化が進んでいきます。
ブランド化が進むと、そのブランド名から商品・サービス、又は会社のイメージがすぐに湧くようになります。
その一方でブランド名が他人にマネされる可能性が非常に高くなります。
このような話もあります。
商標登録せずに新ブランドをプレスリリースしたら、
同様なブランド名を同業者が数日後に商標登録したとか。
昔は、プレスリリースしても媒体が新聞程度ですから、そのようなことはなかっと思います。
今は、インターネット社会なので、どこでも、だれでも、ブランド発表を知ることができます。
みなさんがブランド名を商標登録することで、
ブランド名を他人がマネをするのを防止できます。
そのブランド名と似ている範囲まで。
これによって、安心、安全にブランド化することができます。
みなさんが立ち上げたブランドは、
1年後、5年後、10年後どうようになっているとイメージしていますか。
そのイメージをもとに今ビジネスを展開していると思います。
そのようにイメージされた際、商標登録の必要性をどのように感じとることができますか?
アパレルビジネスで登録すべき商品・役務の区分
商標登録する場合、その商標を使用する商品・役務の区分も併せて登録する必要があります。
衣料品を扱う場合、その周辺分野を含めると、登録をお勧めする商品・役務の区分は、
第14類アクセサリー
第18類かばん類
第25類被服・靴
第35類小売等役務
になります。
たとえば、自社で制作した商品のみを販売する場合、第14類アクセサリー、第18類かばん類、第25類被服・靴等が、登録する商品・役務の区分になると考えます。
また、たとえばセレクトショップのように他社の制作した商品を販売するような場合、第35類小売等役務の区分を登録します。
また、今後の事業展開も踏まえて広めに商品・役務の区分を登録しておいた方が良いです。
それは、アパレルビジネスは、大きく分類すると“身に着けるもの”の分野に含まれ、
また、客層を絞らなければ客層も老若男女ひろいビジネスになるため、
アパレルビジネスにおける事業展開が広範囲の分野で行うことが可能になるからです。
例えば、女性向けの衣服を扱っているのであれば、アクセサリー、かばん類の分野まで事業がおよぶと考えられます。
また、子供服でも、かばん類の分野まで事業がおよぶと考えられます。
このように将来の事業展開を踏まえて商品・役務の区分を登録しておくことで、事業展開先の分野で既に商標登録されていたといった想定外の事態を防ぎ、商標登録でつまづくことなく事業展開をスムーズに進めることができるようになります。
ノベルティの分野でも商標登録した方が良い?
無償でお客様に提供する販促品、いわゆるノベルティの分野も商標登録した方が良いかどうかときどき聞かれます。
たとえば、被服を購入されたお客様にアクセサリーを無償で提供するよう場合、
商品・役務の区分として、第25類被服の区分に加えて、第14類アクセサリーの区分も登録した方が良いかという質問です。
ノベルティの分野については、基本的には、商標登録する必要はないです。
というのも、ノベルティ(前例だとアクセサリー)にブランド名が表示されていたとしても、それは、本来の事業の商品・役務(前例だと被服・靴)の宣伝行為のためであり、ノベルティの商標をして認識されないからです。
しかし、このようなノベルティの商標について争われた事件があります。
サントリー社が、缶コーヒーのノベルティとして「BOSS」ジャンを配った行為が、ヒューゴ・ボス社が被服類について有する登録商標「BOSS」の商標権を侵害するとして訴えられた事件です(昭和61(ワ)7518 民事訴訟 商標権 昭和62年8月26日 (大阪地裁))。
このように、ノベルティにかんして全く問題にならないという訳ではないので、
登録した商品・役務の区分以外でノベルティに商標を使うときには慎重となることが大切です。
商標登録するタイミング
最後になりますが、商標登録のタイミングについて説明します。
商標登録するメリットがわかっても、商標登録するタイミングに悩まれていると思います。
そのように悩まれているお客様には、早ければ早い方が良いです、とお伝えしています。
また、時間的、費用的な理由などで今直ぐには難しいというお客様には、
事業が進み、利益の目処がついた時点で商標登録して下さいとお伝えしています。
というのも、商標登録は早い者勝ちの登録制度だからです。
例えば、実際に動かし始めたみなさんのビジネスを魅力的に感じた他人が、
商標登録してしまう可能姓があります。
その場合でも、他人に商標登録されてしまいます。
このように、みなさんのブランド名と同じ名称を、
誰がいつ商標登録してしまうかわからないので、
商標登録するタイミングは早い方が良いです。
以上、アパレル、被服のブランド名を商標登録するメリットを説明させていだきました。
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