登録する商標の決め方
みなさま、商標を登録する(商標権を取得する)目的は何ですか?
その目的に応じて、登録する商標を決定すべきです。
(ちなみに、“商標を登録する”と、“商標権を取得する”とは、同じ意味になります。)
特許権のような創作物を保護するのと異なり、
商標権は、誰でも考え出せる名称等を保護するものです。
つまり、特許庁での審査をパスするための要件を満たす必要がありますが、
基本的には、どのような商標でも商標権を得ることができます。
よって、可能な限り、商標権を取得する目的に応じて、登録する商標の内容を決めることをお奨めします。
そして、商標を可能な限り早く決定し登録して下さい。商標権の取得は、基本的には早い者勝ちだからです。
このようにして取得できる商標権ですが、
ほとんどの場合、以下のような目的でみまさま商標権を取得しているので、
再度、商標権を取得する目的を確かめてみて下さい。
そして、どのような商標によって商標権を取得すべきか今一度確かめてみて下さい。
現在使っている商標の商標権を取得したい
既に使っている会社名、商品・サービス名について商標権を取得したいというものです。
この取得パターンの多くは、何かしらの理由で必要性に迫られて商標権を取得するパターンです。
例えば、ビジネスモデルが成功し、これからフランチャイズ展開することになったため、
また、他人が似た商品・サービス名を使っているのを知った、
または、商標権を取得していないことで大変な目に合うことを体験した、
等々です。
この場合、既に使っている商標について、緊急かつ必須で商標権を取得しなければなりません。
この場合、留意点は以下の3点です。
- 最大限の効果を得るために、現在使っている商標をそのまま登録すれば良いか、それとも変更して登録すべきか。
既に使っている商標をそのまま登録するのが一番効果があるとは限らないからです。
例えば、既に使っている商標の一部だけで商標権を取得した方が、他人が使っている商品・サービス名を確実に排除できる場合があるからです。 - そもそも事前の商標調査が必要か?
既に使っている商標を変更できない事情がある場合、調査することなく、できるかぎり早く登録することが良い場合もあるからです。
例えば、ある商標で既に大々的に事業展開している場合には、商標を変更できないので、できるかぎり早く登録した方が良いです。 - 商標権を早く取得するために、商標の早期審査制度を利用することも検討する。
早期審査制度を利用することで、現在では、出願から2ヶ月程度で、特許庁から審査結果(登録又は拒絶の結果)が来ます。
これから使う予定の商標について商標権を取得したい
これから、起業する会社名、新規事業の商品・サービス名について商標権を取得したいというものになると思います。
きっと、会社名、商品・サービス名には、起業、事業への思いが込められていると思います。
この場合、事業開始前に早めに商標権を所得しなければなりません。
この場合、留意点は以下の3点です。
- 先ず、その商標が将来的にも通用するかを検討する。
つまり、会社の理念等から長期的な視野にたち、その商標を使い続けたいかを確認する。
また、長く使い続けても、飽き、廃れがないかも想像してみる。
例えば、はやりの言葉で作った商標は、飽き、廃れが早いです。 - 同じ又は似た会社名、商品・サービス名で既に商標権が取得されていないかを、事前の調査調査によって確認する。
もし、同じ又は似た会社名等がある場合でも、商標を多少変更して商標権を取得できることが多いです。 - 事業開始時期が近づいている場合には、商標の早期審査制度を利用することも検討する。
事業開始前に商標権の取得の可否を知ることができれば気持ちがだいぶ違います。
調査結果次第で商標権を取得したい
どのような商標で商標権を取得すべきか迷っていることが多いです。
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