キャラクターの商標登録を考えている方

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商標登録すべきか迷っていると思います

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今、みなさんは、キャラクターを商標登録すべきか迷っていると思います。
そのキャラクターはすでに使っていてみなさんが思い入れがあるキャラクターかもしれないし、
これから使おうとしているキャラクターかもしれません。
キャラクターは商標登録した方がいいよ、と周囲に言われたけど、
商標登録のメリット、必要性がわからない、といった方もいると思います。
以下に、キャラクターを商標登録するメリットを説明致します。

キャラタービジネスの市場規模

キャラタービジネスの市場規模を示す資料の一例として矢野経済研究所が行った調査結果があります。

この調査において、「キャラクタービジネスとは、ライセンス契約によりキャラクターを商品化、広告販促使用、映画やテレビ、マンガなどのメディアへ展開するビジネスをさし、商品化権と版権で構成される。」と定義されています。
また、商品化権とは、「漫画やアニメーションのキャラクターを商品や広告などに利用して経済的利益を得る権利」(「大辞林」三省堂)とされています。

要するに、キャラクタービジネスとは、キャラクターを対象に結ぶライセンス契約の下で成り立つビジネス、といった感じになります。

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『キャラクタービジネス市場規模推移(出典:矢野総合研究所 2014年調査結果)』

この「キャラクタービジネス市場規模推移」の調査結果からすると、キャラクタービジネスの市場規模は、2兆円強で推移しています。

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『キャラクターは好きか(出典:矢野総合研究所 2009年調査結果)』

この「キャラクターは好きか」の調査結果からすると、「若年層」「女性」が好きであると傾向は強いものの、「若年層」以下、又は「男性」にもそれなりにキャラクターが受け入れられているのがわかります。

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『一番好きなキャラクター (出典:矢野総合研究所 2009年調査結果)』

また、「一番好きなキャラクター」の調査結果からは、予想通り、ディズニーキャラクターがダントツ1位に選ばれています。
なお、ゆるキャラの代表格の「フナッシー」「くまモン」は?、と思われる方もいらっしゃいますが、この調査結果の2009年当時はまだ登場していないのでランキングされていません。

キャラクターの種類

◆ビジネスキャラクター
 テレビゲームや絵本、映画、アニメなどに登場し、その人気によりこれらの販売を促すためにつくられたキャラクター。
 たとえば、「ピカチュー」、「クレヨンしんちゃん」。

◆マスコットキャラクター
 組織やチームの象徴として位置づけられるキャラクター。
 たとえば、巨人軍のマスコットキャラクター「ジャビット」、警察のマスコットキャラクター「ピーポくん」。

◆ゆるキャラ(「ゆるキャラ」は登録商標(商標登録第5421696号 等))
「ゆるいマスコットキャラクター」略称。
 地方主催のイベントや名産品をPRするためにつくられたマスコット・キャラクター。
 たとえば、「くまモン」、「フナッシー」。

“親しみやすさ”がビジネス拡大の鍵

フナッシー
キャラクターの最大の利点、強みは“親しみやすさ”。
最近は、その“親しみやすさ”を積極的に利用して
キャラクターでビジネス展開しているところも多いです。
キャラクターでビジネス展開している、というよりも、
ビジネス展開のためにキャラターを利用していると言った方が正解かもしれません。

みなさんは、ビジネスにおいて客層、いわゆるターゲットを想定していますか?
たとえばターゲットの想定で有名な手法がペルソナマーケティング。
性別、年齢、家族構成、仕事等を具体的に想定してマーケティングするというもの。
どうでしょうか、みなさんのビジネスのターゲットは?

ではキャラクターを使うとどのような利点があるかというと、
その“親しみやすさ”を利用して、異なったターゲットにアプローチできること。
たとえば若年層にアプローチできるようになり、その若年層を顧客化できることです。
若年層へのアプローチが有効的なのは、先の「キャラクターは好きか」の調査結果からも明らかです。

裏をかえすと、新たなビジネス展開で目標とするターゲットを想定したならば、
その想定したターゲットに受け入れてもらえるキャラクターに作り込む必要があります。
たとえばご当地キャラをよく見ると、愛されるキャラクターとしつつもそのご当地の名産品で作り込まれているのがわかります。キャラクタの頭の一部がご当地名産品だったりと。

このように、戦略的に作り込むことでみなさんのビジネスを拡大させるキャラクターを誕生させることができます。

キャラクターを商標登録する理由

例えば、同じキャラクターを他人が使い始めたらどうなるか。
その場合、みなさんは、そのままキャラクターを使い続けることはできますが、
正直、いやな気持になると思います。
でも、それ以上に問題なのが、実際にみなさんのお客様がそのような他人に流れてしまうことです。

また、同じキャラクターを他人が商標登録したらどうなるか。
その場合、みなさんは、そのままキャラクターを使い続けられなくなります。
使い続けると、商標権侵害となり損害賠償を請求される可能性があるからです。
そして、たとえみなさんがずっと前から使っていたとしても使い続けられなくなります。
こうなるとキャラクターを変更したり何らかの対処しなければなりません。

みなさんがキャラクターを商標登録しておくことで、
他人が同じキャラクター(厳密には似たキャラクターの範囲まで)を使うことを防止できます。
それも日本中で使うことを防止できます。
また、同じキャラクターを他人は商標登録できなくなります。

このように、商標登録することでキャラクターをみなさんだけが使えるようになります。
そして、キャラクターが有名になると、
そのキャラクターだけでお客様が来るようになり、
そのキャラクターがブランド化します。
そのキャラクターのイメージがすぐに湧くようになります。

たとえば、みなさんが知っている有名なキャラクターを想像してみて下さい。
そのキャラクターは、菓子、おもちゃ、グッツ化されていると思います。
実は、商品の中身は他の商品とほとんど変わらないのですが、
キャラクター付きというだけで多くの客様に買われている実態。
これはキャラクターのイメージがそうさせているからです。

そのようなキャラクターを商標登録することで、
他人にマネされなくなり、キャラクターによる集客の効率が格段が高まります。
どうでしょうか、商標登録することとビジネスが直結してきましたか?

キャラクターは外観と名前を別々に商標登録する

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キャラクターの場合、何を商標登録するかも重要です。
というのもキャラクターには、“外観”の他に“名前”があるからです。
図形も文字も商標登録できるので、キャラクターの外観(図形)も名前(文字)も商標登録できます。
では、キャラクターの外観と名前をどのように商標登録すれば良いでしょう?

ここで、キャラクターに限らず、商標登録しようとするときにバリエーションが存在することがよくあります。
たとえば色の違いとか、図形と文字の組み合わせとか。
そのようなバリエーションがある場合、全てのバリエーションを商標登録することが一番良いのですがそれでは非現実的。
バリエーションのうち使う頻度が高い形態で商標登録することをお勧めしています。

たとえば図形と文字を組み合わせたようなロゴの場合、
図形だけの使用頻度が高ければ図形だけで商標登録することをお勧めし、
文字だけの使用頻度が高ければ文字だけで商標登録することをお勧めし、
図形と文字の組み合わせの使用頻度が高ければその組み合わせで商標登録することをお勧めします。

というのも、商標登録の一番の目的は、他人の登録商標によってご自身の商標が使えなくなるのを防止することです。
他人にマネされたくないという視点で戦略的にバリエーションから選び商標登録することもできますが、他人のマネを防止する態様と、ご自身が安心して使えるようにする態様は厳密には異なるので、他人にマネされたくないという視点で商標登録してしまうと、他人のマネは防止できたけど、ご自身が使えなくなるといった事態を招きかねません。

このようなことから、キャラクターを商標登録する場合、
外観(図形)と名前(文字)を別々に商標登録することをお勧めしています。
別々に登録すると登録費用がかかるということでしたら外観と名前を一緒にした形態で商標登録するようになると思いますが、
キャラクターの場合、外観と名前を一緒に使う(表示する)ことはむしろ少ないので、外観(図形)と名前(文字)を別々に商標登録することをお勧めしています。

ここでは、いくつかの「ご当地キャラ」の商標登録の状況を見てみましょう。

「ご当地キャラ」の代表格ともなっている「くまモン」。
「くまモン」は、外観(商願2010-66544、商標登録第5387805号)と名前「くまモン」(商願2010-66546、商標登録第5387806号)を別々に商標登録しています。
なお、これら登録商標の出願日(商標登録のための書類が特許庁に提出された日)が同日になっており、「くまモン」の商標登録が当初から戦略的になされていることがわかります。

たとえばキャラクタビジネスの戦略は、「くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ」(幻冬舎新書 熊本県庁チームくまモン)が非常に参考になります。
どのようにして「くまモン」を介して熊本をPRしていったかがよく理解できます。

また、ゆるキャラグランプリ2015(投票終了日2015年11月16日)の11月1日現在で第1位の投票数を獲得している「みきゃん」。
この「みきゃん」も、外観(商願2011-61057、商標登録第5472729号)と名前「みきゃん」(商願2011-84946、商標登録第5491238号)を別々に商標登録しています。

一方、ゆるキャラグランプリ2014で優勝した「ぐんまちゃん」。
「ぐんまちゃん」は、外観と名前を一緒した態様で商標登録しています(商願2009-90312、商標登録第5337913号)。
どうして一緒にした態様にしているかは不明ですが、「ぐんまちゃん」の名称は、一般的であるとして特許庁から拒絶されたか、もともと商標出願していないのかもしれません。

以上のように、キャラクターは、外観(図形)と名前(文字)を別々に商標登録することをお勧めします。

キャラクタービジネスで登録すべき商品・役務の区分

商標登録する場合、その商標を使用する商品・役務の区分も併せて登録する必要があります。
キャラタービジネスの場合、商標をどのような商品・役務で使うかがはっきりしないことが多いため、この商品・役務の区分を決めることが難しいです。
このような場合、弊社では、ビジネス展開が似ていて商標登録されているキャラクターが登録している商品・役務の区分を参照することをお勧めしています。
キャラクターをどのように商標登録するかも大切ですが、どのような商品・役務の区分にするかもそれと同じように重要です。

商標登録するタイミング

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最後になりますが、商標登録のタイミングについて説明します。
商標登録するメリットがわかっても、商標登録するタイミングに悩まれていると思います。
そのように悩まれているお客様には、早ければ早い方が良いです、とお伝えしています。
また、時間的、費用的な理由などで今直ぐには難しいというお客様には、
事業が進み、利益の目処がついた時点で商標登録して下さいとお伝えしています。

というのも、商標登録は早い者勝ちの登録制度だからです。
例えば、みなさんのキャラクターを魅力的に感じた他人が、
商標登録してしまう可能姓があります。
たとえみなさんが既に使っている事実があっても、他人に商標登録されてしまいます。
このように、みなさんのキャラクターを、誰がいつ商標登録してしまうかわからないので、
商標登録するタイミングは早い方が良いです。

以上、キャラクターを商標登録するメリットを説明させていだきました。

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